2022/08/16
積立NISAでの投資先の選び方
資産運用の初心者から人気がある投資の1つに、積立NISAがあります。積立NISAでは多くの投資商品を取り扱っていますが、かえって「投資先が多くてどの銘柄を選べば良いのか分からない」と悩む方も多いです。
そこで、今回の記事では「積立NISAでの投資先の選び方」をご紹介します。銘柄選びでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
積立NISAで取り扱っている投資商品の種類
まずは、積立NISAではどのような投資商品を取り扱っているのか解説していきましょう。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、指標と同じような動きを目指すファンドです。株式のみを対象としており、国内、国外、全世界、複合資産型のファンドがあります。市場全体に投資ができることや、指数に連動して動くため情報が得やすいことがインデックスファンドの特徴です。
国内株式型
- 東証一部に上場している株式の代表銘柄:日経平均株価
- 東証一部に上場している株式の全銘柄:TOPIX
国外株式型
- 米国株式市場に上場している株式の大企業:S&P500
- 米国株式市場に上場しているほとんどの全銘柄:CRSP U.S. Total Market
- 日本を除いた22の先進国の大・中型株式:MSCI コクサイ
- 24の新興国の大・中型株式:MSCI Emerging Markets
全世界株式型
- 全世界47ヶ国の大・中型株式:MSCI ACWI
- 全世界47ヶ国の大・中・小型株式:FTSE Global All Cap
複合資産型(バランス型)
- 複数の指数・債券・REIT(不動産)など
アクティブファンド
アクティブファンドは、指標以上の動きを目指すファンドです。運用会社の担当者が独自に市場や会社などを分析し、将来性があると見込んだ会社に投資を行います。
その手間があるため、信託報酬がインデックスファンドよりも高くなってしまいます。種類が豊富にあり自分に合った投資先が選べることや、インデックスファンドよりハイリスク・ハイリターンになることがアクティブファンドの特徴です。
積立NISAでリスクを抑えたい初心者におすすめなのはインデックスファンド
上記で解説したように、積立NISAにはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。インデックスファンドは指標と同じような動きを目指しますが、アクティブファンドは指標以上の動きを目指すのが大きな違いです。
投資を始めたばかりの初心者であれば、インデックスファンドから投資商品を選んでみましょう。なぜなら、インデックスファンドはアクティブファンドより信託報酬が安く、値動きが分かりやすいからです。
中でも、インデックスファンドの「国内株式型」と「複合資産型(バランス型)」はリスクが低いので手を出しやすくなっています。国内株式型は為替変動の影響を受けませんし、複合資産型は株式や債券などにバランス良く投資を行うため、リスクが分散されます。リスクを抑えて商品選びがしたいなら、国内株式型と複合資産型を選んでみてください。
投資先の選び方をポイント別に解説
投資先を選ぶ時には、自分がどのような投資をしたいかを把握した上で選ぶことも可能です。例えば、「リスクを抑えたい」「コストを抑えて運用したい」などのポイントが挙げられます。ここからは、投資先の選び方をポイント別に解説していきましょう。
コストを抑えて運用したい
積立NISAでは、購入時に手数料が発生しません。しかし、信託報酬という「投資信託の運用・管理費用」がかかります。この信託報酬はファンドを保有している間にコストが発生するので、低い方がコストを抑えられます。
しかし、信託報酬がいくらかかるかは、選ぶ銘柄によって異なります。そのため、コストを抑えて運用したいなら信託報酬が低い銘柄を選んでみてください。
アクティブファンドは、信託報酬がインデックスファンドよりも高いです。一方、インデックファンドを選ぶことで信託報酬を安く抑えられます。
大きいリターンが見込める運用をしたい
ハイリターンの運用をしたい人におすすめなのは、インデックスファンドだと日本株・米国株・全世界株です。リスクの低さは、国内・国外・新興国の順番です。どの国の株式に投資するかをまず決めてから、信託報酬が低い銘柄を選んでみましょう。
また、アクティブファンドは運用会社の担当者が独自に市場や会社などを分析し、将来性があると見込んだ会社に投資を行うことでハイリターンが見込めます。
バランス良く運用したい
リスクを抑えてバランス良く分散投資をしたい人におすすめなのは、複合資産型のファンドです。複数の指数・債券・REIT(不動産)などにバランス良く投資を行うので、リスクを抑えられます。1つの商品だけを購入するよりもリスクを抑えられるので、なるべく損失を出したくない人や安定して運用したい人におすすめです。
複合資産型では、株式と債券の割合が商品によって異なります。この時、株式の割合が低く債券の割合が高い方がリスクを抑えて運用しやすくなります。REITに資産配分できる銘柄もありますが、初心者の場合は株式と債券を資産配分にしている商品を選んで問題ありません。
また、全世界に投資する銘柄を選ぶのもおすすめです。日本株やアメリカ株のみに投資する商品だと、その国の経済や環境に依存することとなるため、影響を受けやすくなってしまいます。
しかし、全世界株式型なら特定の国に捉われることもなく、複数の国に分散投資できます。リスクを抑えて安定した運用が可能です。
自分に合う商品選びをしたい
自分に合う商品を選んで運用したい人におすすめなのは、アクティブファンドです。アクティブファンドには商品の種類がたくさんあります。そのため、自分に合う商品を選びやすいです。
積立NISAの商品選びには注意がある
最後に、積立NISAで商品を選ぶ時には注意しなければならない点もあるため、解説していきます。
積立NISAでは、基本的に投資信託の入れ替えができません。投資信託を入れ替えることを「スイッチング」と呼び、銘柄変更には制限があります。
非課税枠40万円の範囲でなら、Aの商品の積み立てをやめてBの商品の積み立てを始めることはできます。しかし、この非課税枠は戻りません。さらにBの商品を辞めてCの商品の積み立てを始めるといった使い方はできないので、注意しなければなりません。
また、積立NISAは非課税で20年持ち続けた方が恩恵も大きくなります。
途中で商品を売却して違う商品に入れ替えると、複利効果は低くなってしまうのです。
そのため、積立NISAでは最初の銘柄選びが重要となります。「とりあえずこの銘柄を買ってみよう」「リスクはあるけどハイリターンの商品を買おう」と軽い気持ちで購入しないように気を付けてください。
まずは、自分がどのような投資をしたいのかを考えましょう。
- できるだけリスクを抑えて運用したい
- 安定性を重視して運用したい
- 若干のリスクはあっても見返りを重視したい
- コストを抑えて運用したい など
どんなポイントを重視するかを最初に決めておきます。次に、そのポイントに合う投資先の国を選びます。その中から、信託報酬が低い銘柄を選ぶと失敗しにくくなります。
今回は積立NISAでの投資先の選び方についてご紹介してきました。積立NISAでは様々な投資商品を選ぶことができますが、それぞれタイプや特徴を理解した上で、自分の投資スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。商品選びをする前にリスクと収益の兼ね合いなどを明確にしておけば、自分に合った投資商品も見つかりやすくなるでしょう。